来る12月19日に下記の要領にて125th JFES Chapter Meetingを開催します。参加ご希望の方は12月12日までにこちらから登録をお済ませください。
オンラインのみの開催です。皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。
Date & Time: 2024年12月19日(木)15:30 – 17:30 (JST)
Place: オンラインのみ
Online Participation: 参加登録者には後日リンクを共有します。
Program
Presentation 1 (15:40-16:20)*日本語/Japanese
<Title> EGS環境開発下における応力状態での花崗岩亀裂の水圧駆動せん断滑りに関する室内実験:シェアダイレーションに関する再考
<Speaker> 石橋 琢也 博士(国立研究開発法人産業技術総合研究所・再生可能エネルギー研究センター・地熱チーム
<Abstract>
地熱発電規模の飛躍的増大に向けEGS(坑井への加圧注水をおこない,人工的に貯留層能力(透水性)の改善・新規造成が行われた地熱システム)が提案されている。EGSの実用化には,貯留層内のダイナミックな現象に関する熱-水理-力学-化学連成シミュレーションの精緻化が鍵である。EGSシミュレーションでは,「既存岩石亀裂のせん断滑りにともない,透水性が改善すること(シェアダイレーション)」を前提とする場合が多く見られる。しかし,このメカニズムがEGS開発で対象となる地下2 km以深,50 MPa以上の地殻応力環境下でも成立するかどうかに関して,明確な結論は出ていなかった。このような背景を踏まえて,我々はEGS開発で想定される地殻応力環境を室内実験で再現し,花崗岩の亀裂に加圧注水を行い,亀裂のせん断滑りを誘起する実験を実施した。実験では,亀裂の力学特性と水理特性を高精度・高分解能で連続的に記録し,微小破壊音の測定も同時に行った。本講演では,これら一連の実験結果を簡単に紹介するとともに,「シェアダイレーション」の効果について再考した結果を報告する。
Presentation 2 (16:30-17:10)*日本語/Japanese
<Title> 高分解能地震波減衰トモグラフィに基づく流体挙動の推定:奥会津地熱地域での注水試験への適用例
<Speaker> 岡本 京祐 博士(国立研究開発法人産業技術総合研究所・再生可能エネルギー研究センター・地熱チーム)
<Abstract>
奥会津地熱地域(福島県柳津町)では,JOGMECにより2015年度から2023年度にかけて,蒸気生産量安定化のために,地熱貯留層への涵養注水試験が行われていた。これに伴い,産総研では微小地震モニタリングを用いた地下の流動監視を実施した。微小地震の震源を追跡することで,精緻に流動を把握できた一方で,微小地震活動が乏しい領域の流動状態を把握することは根本的に難しいという課題があった。本研究では,連続的な注水が実施される前後の微小地震データを用いて,タイムラプス地震波走時トモグラフィ,および減衰トモグラフィを実施することで,非地震領域まで含んだ流動監視手法の確立を目指した。